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THE MASTER CAMP 参加ライダーがシーズン最終戦で輝く!

December 08, 2016

THE MASTER CAMP 参加ライダーがシーズン最終戦で輝く!

THE MASTER CAMPを参加したライダーたちが、その夢のような経験を終えて語ったのは「一番の思い出は、ミサノサーキットを走行したこと。次は世界的なライダーとしてミサノを走ります!」「VR46 Riders Academyのライダーたちのように、早く世界で戦いたいですね」と、大きな目標でした。またある者は「MOTOR RANCHのダートでは何度も転倒し、自分の未熟さを痛感しました」「英語でコミュニケーションできなければ世界ではやっていけない」と悔しさをにじませました。

今シーズン、YAMAHA|VR46 Riders AcademyのTHE MASTER CAMPにアジア各国から参加した6人は、その経験の中で課題を確認し、希望を膨らませ、またチャレンジスピリットを培い、それぞれが主戦場であるアジアロードレース選手権(ARRC)へと戻っていきました。

そして、第2回THE MASTER CAMP直後の10月、ARRC第5戦インド大会では、アピワット・ウォンタナノン(Yamaha Thailand Racing Team)がアジアプロダクション250(AP250)のチャンピオンを獲得。そして12月、ライダーが最終戦を前に語ったのは「YAMAHA|VR46 Riders Academyでお世話になった皆さんへ恩返するには結果を残すしかありません。世界の若手ライダーが注目するこのプロジェクトの価値を決めるのもまた、僕らの成績。このプロジェクトの名を汚すことのないよう成績を残さないといけない。そして、来シーズンの体制を左右する大切なレースでもある。一つでも上の成績を獲得しなければ...」という感謝、責任、決意でした。この最終戦は、彼らにとって重要な意味を持つレースであり、それゆえに激しい戦いが繰り広げられたのです。

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レース1は、3つの表彰台を10数台が争う大混戦となりました。この中で光る走りを見せたのがウォンタナノン、そしてカスマ・ダニエル・カスマユディン(Yamaha Finson Racing)。特に今シーズン、思うような成績を残せていなかったカスマユディンは、後方からトップグループに追いつくと、ウォンタナノンをはじめ、他社のライバルを相手に一歩も引くことなく攻め続けます。

ところが結末は予想しない展開となりました。ラストラップ、残り数個のコーナーとなったところでウォンタナノンが転倒。これにカスマユディンが巻き込まれ、さらにこのクラッシュが新たなアクシデントを誘発。Yamaha Racing Indonesiaのガラン・ヘンドラ・プラタマもポジションダウンを余儀なくされ、優勝圏内にいた3人が一気に脱落したのです。

ただし、第2グループにつけていたピラポン・ロイブーンペン(Yamaha Thailand Racing Team)が、このマルチクラッシュでトップ集団の先頭に立ちます。最後はチームメイトに優勝を譲る形となりましたが、それでも第2戦以来となる2位表彰台を獲得。結果を残しました。

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続くレース2は、ウォンタナノンがチャンピオンらしい完璧なレースを見せました。序盤は混戦となったレース1の反省から、ハイペースでライバルたちを置き去りに。それでも1台のライバルが食らいつてきますが、その後も圧巻の走りを披露したのです。

中盤、トップから2番手に順位を落としたウォンタナノンですが、ライバルの背後で着々とその時に向けて準備を進めていました。そしてラストラップ中盤、狙いすましたかのようにインを差してトップに立つと、次の瞬間にギアアップ。2番手、さらにその後方の3位グループも置き去りにし、最後は余裕を持って今季9勝目のチェッカーを受けました。

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一方の3位グループは大混戦となり、最終コーナーで勝負となります。数台がインを差し合う中で、イマニュエル・プトラ・プラタマ(Yamaha Traxx-D TJM Bien Racing)が勝ち抜き、最後は力強いガッツポーズとともにチェッカーをくぐり抜けました。まさにTHE MASTER CAMP、そして2年間のARRC参戦で培ったものを、初表彰台に昇華したのです。

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こうして2016シーズンはエンディングを迎えました。大きな成果を残した者、課題を残した者。しかし総じて言えるのは、まだ目標に向けた旅の途中ということ。YAMAHA|VR46 Riders Academy得た刺激、またARRCの中で培ったものを血肉とできるのか? その答えは、2017シーズン、彼ら自身が示すこととなります。

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Comments

アピワット・ウォンタナノン(23位/優勝)
「今年はYamaha Thailand Racing Teamの一員となりましたが、チームもR25もすばらしく、気持ちよく走り、戦うことができました。それはシーズンを通して僕自身を含めすべてが進歩していったからです。今年タイトルを獲得できたのは、Yamaha Thailand Racing Teamのおかげだと思っています。また、忘れてはならないのがTHE MASTER CAMPに参加したこと。これは本当に大きなチャンスと経験になりました。特にTHE MASTER CAMPでのトレーニングは、日常的なトレーニングに取り入れることで、僕の進化を支えてくれ、結果的にARRCにおける勝利につながっていったと確信しています。来年は勝負の年。今から楽しみでなりません」

ピラポン・ロイブーンペン(2位/4位)
「インド大会では結果を出すことができませんでしたが、この最終戦まで気持ちを切ることなく、あきらめずに勝利を信じて過ごしてきました。今回は両レースとも混戦となり、目まぐるしく順位が入れ替わる難しい戦いでした。なかなか前に出ることができませんでしたが、レース1は上位陣がアクシデントで脱落し、突然優勝のチャンスが舞い込んできました。結果的にチャンスをものにすることはできませんでしたが、第2戦以来の表彰台だったので結果には満足しています。そして今年は2回にわたるTHE MASTER CAMPに参加しました。スキル向上も大きかったのですが、今まで手が届くと思っていなかった世界を意識する機会となりました。これにより、ARRCへのモチベーションが高まり、今後の進むべき方向も変化し、転機となる1年になったと思います」

ガラン・ヘンドラ・プラタマ(7位/16位)
「予選までは順調でしたが、決勝は不運の連続でした。レース1はトップ争いの中でアクシデントに見舞われ、レース2はトラブルがあり、消化不良のまま最終戦を終えることとなりました。シーズン全体では、良いことも悪いことも経験。まず悪いことは、アクシデントやトラブルが重なったことで、思うような成績が得られなかったこと。その中でも2度表彰台に立ち、THE MASTER CAMPに参加して世界に向け一歩を踏み出せたのはとても大きなことでした。トータルで見れば、技と心をともにレベルアップできて成績も向上し、大きく成長できたシーズンだったと感じています。来年はまだ未定ですが、どんな環境でもチャンピオンを目指して全力をつくすのみです」

イマニュエル・プトラ・プラトナ(5位/3位)
「今年は、チーム・バイクなど多くが変化し、最初は新しい環境に慣れることで精一杯でした。調子が上がってきたのは鈴鹿あたりから。チームとの信頼が高まり、THE MASTER CAMPに参加したことも手伝って、少しずつ戦える状況に作られていったのです。こうして迎えた最終戦は表彰台に立つことが目標でしたが、レース1はマシンにトラブルがあり苦戦。その夜に修理を行ってレース2は自信を持って臨みましたが、トップの2人にはついていけませんでした。それでも表彰台の可能性があったので第2グループに食らいつき、最後に逆転で表彰台をゲット。100%を出し切った結果です。今年はチーム変更での苦労、憧れのバレンティーノの元で学ぶなど、多くの経験を積むことができました。すべては来年に生きてくる。これからが本当の勝負と考えがんばります」

南本 宗一郎(18位/18位)
「ARRCは初参戦でしたが、開幕当初と比べウィークをどう過ごすか、しっかりと戦略を立てられるようになったし、最終戦ではそれを実行し良い流れで決勝を迎えました。結果は、レース1で転倒、レース2はトラブルでリタイアと、レースの難しさを痛感させられたし、混戦から前に出る力はなく、力量も足りていないことが改めて明らかになりました。それでも前には確実に進んでいます。特にYAMAHA|VR46 Riders Academyでは、多くのライバルと出会い世界を近くに感じるとともに、ハングリー精神や前を狙う強気な走り、勝負する気持ちを学びました。今シーズンは勝てなかったけれど、勝つための準備はできたと思います。だからこそ来年は、どのレースであろうと徹底的に勝利にこだわって戦います」

カスマ・ダニエル・ビン・カスマユディン(17位/5位)
「今年は、とても戦闘力のあるマシンを与えてもらったのですが、それを生かすことができず、チームには本当に申し訳ない結果となりました。今回も、前で勝負し100%出し切ったのですが思うような結果を得られませんでした。成績は昨シーズンからジャンプアップできませんでしたが、体も心も強く大きくなったと確信しています。特に心の部分は、YAMAHA|VR46 Riders Academyでライバル、また世界ですでに戦っている同世代のライダーと一緒に過ごすことで刺激になったし、世界に上がりたいという強い気持ちが養われました。しかし、まだ気持ちばかりで技術がついてきていないのが現実。やることをしっかりとこなして力をつけ、少しでも早く世界に近づきます」