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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.14 9月25日 アラゴン

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2016年9月25日(日)決勝結果
■開催地:スペイン/アラゴン(5.078km)
■周回数:23周(116.794 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:36度
■PP:M・マルケス(1分47秒117/ホンダ)
■FL:M・マルケス(1分48秒697)

REPORT

Movistar Yamaha MotoGP、今季4度目のダブル表彰台

第14戦アラゴンGPは、シーズン最高の激しい戦いが繰り広げられた。Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソが2位を、チームメイトのV・ロッシも3位表彰台を獲得し、今季4度目のダブル表彰台が実現した。

ロレンソは午前中のウォームアップ・セッションで転倒するも、3番手の位置から絶好のスタートを切り、M・マルケス(ホンダ)とともに第1コーナーへ。これにM・ビニャーレス(スズキ)が加わってトップ争いとなり、スペイン人同士の激しい戦いを繰り広げた。オープニングラップを終えてロレンソは3番手。2ラップ後にはマルケスがミスをする間にロレンソが2番手に上がり、さらにトップのビニャーレスを追って行こうとする。ぴったりと背後につけていたロッシに先行されて再び3番手に後退した。

上位3台が1分49秒台前半までペースを上げてトップグループを形成するが、マルケスが徐々に追いついてロレンソをパス。ロレンソも離されずについて行って再度逆転のチャンスを待つ。その3ラップ後にはビニャーレスがコーナーで大きくはらんだため、ロレンソはまたも、ひとつポジションを上げることができた。

その後も冷静なレース運びを続けたロレンソは終盤までタイヤを温存し、5ラップで難なく2番手へ浮上、後方からのロッシのアタックも退けてそのままチェッカーを受けた。トップとの差は2.740秒。

一方のロッシは予選6番手の位置から好スタートを切り、4番手で第1コーナーへ。やがてマルケスが5番手までポジションを下げたため、表彰台争いのチャンスをつかんだロッシはロレンソを追い詰めてパスし、さらに1分48秒台へとペースを上げてビニャーレスに近づくと第4コーナーでトップに躍り出た。この時点で残り周回数は15ラップ。

その後もハイペースを維持したロッシは一旦、後続を引き離しにかかったが、3ラップ後には後方からマルケスが追いついて一気にトップへ。ロッシはその後も遅れまいと懸命について行くが、残り5ラップでは逆にロレンソに先行を許してしまう。ロレンソにぴたりとついて行ったロッシだが、最後まで逆転ならず。トップから5.983秒差の3位となった。

20ポイントを獲得したロレンソは、ランキング3位をキープ。ロッシはトータル196ポイントとし、ランキングトップのマルケスを52ポイント差で追っている。
Movistar Yamaha MotoGPは3週間後、海外3連戦の1戦目となる日本GPに向かう。

エスパルガロが8位

Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロは、アラゴンの70,000名の観客の前で最後までねばり強い走りを見せて8位を獲得。

午前中のウォームアップ・セッションで3番手につけ、決勝に向けてモチベーションを高めていたエスパルガロは、グリッド4列目から飛び出してポジションアップを図る。オープニングラップを12番手で終えると、集中力とコンスタントなリズムを維持しながらポジションアップを狙う。そして4ラップ目までに9番手へ浮上し、さらに前車との距離を少しずつ詰めていくと16ラップ目でA・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)をパス。8位でチェッカーを受けた。

負傷中のB・スミスに代わって参戦していたA・ローズは、土曜日のフリープラクティス第3セッションで転倒、左足を負傷して腫れと血腫が認められた。決勝日の朝のメディカル・チェックの結果、回復が見られなかったため、決勝出場を取りやめた。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

J・ロレンソ選手談(2位)

「悪い状況や悪い出来事が、ときに幸運をもたらすこともあるんだ。それが今日の(午前中の)転倒。僕はこの転倒で怪我をして痛みもあったが、おかげでウォームアップを1ラップはハード・タイヤ、もう1ラップはソフト・タイヤで走行できたんだ。このときスピードはまったく上がらなかったが、ハード・タイヤがなぜか自信を与えてくれた。直感的にハード・タイヤを選び、今日のレースを可能にしてくれたそれまでは表彰台など期待していなくて、おそらく6位か7位くらいだろうと思っていたけれど、こんなサプライズが待っていた。とても厳しいウイークだったが、それがかえってよい結果につながることもある」

V・ロッシ選手談(3位)

「セッティングを変更し、レース終盤での挽回に賭けようと思っていた。ところが実際には終盤でタイヤが激しくスピンするようになってしまったんだ。悔しいことには、残り2ラップでブレーキングをミスし、オーバーランしてしまった。それさえなかったら2位争いができたはずだけど、なんとか表彰台に上ることができたのだから満足しないとね......。

ここアラゴンではいつも苦しめられてきた。今日も本当はヤマハ勢トップを目指していたし、何としてもロレンソの前でゴールしたかったけれど、後半戦で彼のほうが速かったんだ。僕としては最終ラップにカードを残していたんだけれど、ミスを犯してしまって、あそこは真っ直ぐ行くしかなかった。そうでなければ、ふたりともとても危険な状況になってしまうからね。結果、ホルヘに対して4ポイントを失うことになった。でも表彰台には立つことができた。これからもっと力をつけて、良い状態で3連戦に臨みたい」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「マルケスを止めるのは難しいとわかっていたが、バレンティーノはリアタイヤをすり減らすまで懸命に攻め続け、一時はレースをリードすることができた。ウイーク序盤からずっとこの問題に悩まされており、セッティングを変更してみても不安を取り除くことはできなかった。ホルヘはグリッド上でタイヤを交換し、それが功を奏した。チームは冠スポンサーが主催するレースで、ダブル表彰台という好成績をおさめることができた。アラゴンで目標としていた優勝を次のラウンドで実現する」

P・エスパルガロ選手談(8位)

「まずは何度も転倒してしまった僕のために、こんなに素晴らしい仕事をしてくれたチームのみんなに、お礼を言わなければならない。彼らはいつも、素早い作業でマシンを修復してくれる。僕自身のパフォーマンスと結果にがっかりしているんだ。今日はとても気持ちよく乗れていたけれど、予選11番手スタートだったし、序盤のバックストレートでミスをして目の前の集団から離されてしまった。もしもここで遅れていなかったとしたら、ダニ(ペドロサ)やアレイシ(エスパルガロ)よりも前でゴールできたはずなんだけれど......。それでも8位で貴重なポイントを獲得できたことは前向きにとらえているよ。次の日本GPは僕にとってとても重要なレース。鈴鹿8時間耐久での2連勝を支えてくれた日本のファンに会えるのを楽しみにしている」

A・ローズ選手談(DNS)

「モトGP出場のチャンスを、このような形で終えることになり非常に残念だ。Monster Yamaha Tech 3チームのみんなに温かく迎えてもらい、この経験に感謝している。今回はこのようなことになってしまったが、多くを学び、シルバーストーンとミサノでは最高のレースができた。怪我の状態については、依然として足の前のほうが腫れていて思うように動かすことができない。痛みが残っているところもあるし、来週はワールド・スーパーバイクのフランス大会に出場する予定なので、これからしっかりチェックし直さなければならないだろう。昨日の転倒はかなり激しくて、このくらいの怪我で済んだのは幸運だったと思っている。チームのみんなに改めて感謝の意を表すとともに残りのシーズンでの活躍を祈りたい。この1か月本当に幸せを感じた。ホーム・コース(シルバーストーン)で初めてのモトGPを完走した気分は最高だったし、この経験がモーターサイクル・ライダーとしての能力を間違いなく高めてくれた。またここへ戻ってきたい」

H・ポンシャラル、チーム・マネジャー談

「難しい状況のなかで、ポルは最終的に納得のゆく結果をもたらしてくれた。転倒のたびにチーム全員で懸命に取り組んできただけに、今日の8位はいつも以上にうれしい。体調は決して万全ではなかったし、自信も十分ではなかっただろうが、持っているものをすべて出し切ってくれた。オープニングラップはやや手間取ったものの、そこから力強く挽回し、最終的にトップとの差が20秒を切った。本当に見事だった。グリッド・ポジションがもう少し良ければ、ペドロサ、クラッチロー、アレイシのグループに加わることもできたはずだ。ポルは確かにベストを尽くし、貴重なポイントを獲ってきてくれたのだから十分に満足している。このあとは、非常に重要なフライ・アウェイの3連戦が待っており、我々は依然としてトップ・サテライトの可能性を残している。ポルとテック3の全員が一丸となって、最後までプッシュし続ける。

一方、アレックス・ローズとの3戦目がこのような形で終わったことは非常に残念だ。フリープラクティスでの転倒はアンラッキーだったのだ。
彼は人間的にも素晴らしく、ライダーとしてもモトGPで十分に通用するだけの能力を見せてくれた。今ここで、改めて感謝の気持ちを伝えたい。チームの全員が彼の早い回復を願い、フランスのスーパーバイクでの活躍を祈っている」

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