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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.07 9月10日 近畿

RACE DATA

■大会名称:2017全日本モトクロス選手権第7戦近畿大会
■開催日:2017年9月10日(日)
■会場:名阪スポーツランド(奈良県)
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

IA1の平田が第1ヒートで3位表彰台、IA2では渡辺が総合優勝!

第6戦SUGO大会から2週間、夏から秋へと移りかわる真っ只中で行われた第7戦近畿大会。予選は午後、瞬間的に雨が降ったものの、決勝は早朝から秋晴れに恵まれ、多くのファンが会場で国内最高峰のモトクロスレースを楽しんだ。IA1では「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の平田優が、第1ヒートで3位表彰台。IA2ではチームメイトの渡辺祐介が、第1ヒートで3位、第2ヒートでは今季5勝目をあげ総合優勝。ランキングでもトップに3ポイント差とし、逆転チャンピオンを引き寄せた。さらに岡野聖(フライングドルフィン サイセイ)が2/3位で総合2位。レディスでは地元の安原さや(名阪レーシング)が今季2勝目をあげ、ヤマハライダーが大いに活躍した大会となった。

IA1:平田が第1ヒートで3位,、第2ヒートは4位で総合4位

前回のSUGO大会で表彰台を逃した平田優だったが、今大会は予選からアグレッシブな走りを見せ2番手を獲得。シーズン初優勝に向け高い仕上がりと順調なスタートを切った。
迎えた第1ヒート、平田はスタートからの3コーナーまでは4・5番手だったが、1周目の混戦をうまくさばき表彰台圏内の3番手で2周目に入る。前をいくのは山本鯨(ホンダ)と小島庸平(スズキ)。平田はこれを追いかけ小島のすぐ後ろにつけたが、なかなかかわすことができず、2番手に上がったのは5周目。ただし、この2位争いの間に山本に逃げられ約8秒差のビハインドを背負ってしまう。
それでも山本追撃のためのペースを刻み踏ん張っていた平田だったが、後方から小方誠(カワサキ)の追い上げにあって3番手に後退すると、徐々に上位の2人に離されてしまう。それでも4番手とのギャップはしっかりと築いていたため、ここからはペースをコントロール。最後まで安定した走りでラップを重ね、第2ヒートでのシーズン初優勝に向け弾みとなる3位表彰台でレースを終えた。

第2ヒートの序盤は、第1ヒートとほぼ同様の展開となり、1周目を山本、小島に続く3番手で終える。第1ヒートで苦戦した小島の攻略を急ぎたい平田は、序盤からラインを変えるなど積極的な走りで再三に渡り小島を追い詰めるがかわせない。すると逆に後方からハイペースで追い上げてきた新井宏彰(カワサキ)にかわされて4番手に後退してしまう。
しかし、この新井のペースに反応した平田は、すぐに小島をパスして3番手とすると、上位2人のペースに食らついて周回を重ねていった。ところが後半に入ると、今度は小方の追い上げにあい、かわされて4番手に順位を落としたが、そのままチェッカーまでポジションを守り抜き4位でフィニッシュとなった。優勝は第1ヒートに続き山本、2位は新井、そして3位が小方となった。なお平田の総合成績は4位だった。

IA2:渡辺が第2ヒートで今季5勝目&総合優勝、岡野が2/3位で総合2位!

昨年、岡野、渡辺の両ライダーによるマッチレースが展開された近畿大会だったが、第1ヒートのスタートで2人ともに失敗。特に渡辺は大きく遅れてしまい1周目を終えて10番手と、大きなビハインドの中でレースをスタートすることとなった。
しかも序盤は、渡辺の前にいる複数台がバトルを繰り広げ、スムーズにポジションアップできない状況が続いた。しかし、それでも決して焦ることなく、表彰台を見据えながら、同時に転倒などのアクシデントも考慮し、丁寧な走りで順位を上げていく。そして中盤、4番手までポジションをあげると、8ポイント差でランキングトップに立つ3番手の古賀太基(ホンダ)を視界に捉える。すると一気にギアチェンジ。みるみるその差を縮めていった。
しかしライバルも黙ってはおらず、激しいバトルへ。この中で順位を入れ替えながら、激しく意地をぶつけ合う。しかし、ここでも渡辺は無理をしない、熱くならない。抜き返されても自分のタイミングで仕掛け続けた。そして15周目に前に出ると一気に突き放して勝負あり。優勝こそ逃したが、古賀の前でフィニッシュしたことで2ポイント削り取り、その差を6ポイントとした。

一方の岡野は、序盤は6番手で上位を追う。渡辺と同じく早い段階でのポジションアップとならなかったが、5周目に5番手、6周には3番手に。さらに追い上げの手を緩めず前をいく古賀を追い詰める。そして12周目にこれを抜いて2番手とするが、この時点でトップの小川孝平(ホンダ)との差は開いており、追い上げを試みるも届かず2位でチェッカーを受けた。これで、岡野は前回のSUGO大会に続き、3ヒート連続での2位となった。

続く第2ヒート、今度は渡辺が主役を奪った。スタートは若干後方となり、古賀、岡野、横澤拓夢(ホンダ)、道脇右京(ホンダ)に続く5番手。ただ、ここから焦りをまったく感じさせない、ハイペースかつ丁寧な追い上げを見せ、5周目に入る頃には2番手の岡野から約5秒差の3番手とする。
トップを走る古賀、それにピタリとつく岡野のペースも速いが、渡辺のペースがそれを若干上回りジワジワと2人との差を圧縮すると、3人が3秒差の中にひしめく混戦へ。ところがその直後、岡野が転倒によって脱落。そして勝負は再び古賀と渡辺による一騎打ちとなる。この中でも渡辺は冷静な走りを披露した。すぐに後方についてプレッシャーをかけ、ポイントを見定め、大胆に力強くライバルに襲いかかってトップに立つ。さらにその後も決して無理することなく、ジワジワとギャップを築く横綱相撲で、今季5勝目となる優勝を獲得。同時に古賀とのポイント差をさらに縮めて3ポイント差とし、残り2大会4ヒートでの逆転チャンピオンに挑む。
一方、ミスで後退した岡野はすぐに再スタートを切り3番手で復帰。後方との差は若干縮まったものの、中盤までに築いたアドバンテージ、そして岡野の速いペースで他を寄せ付けず3位でフィニッシュ。第6戦SUGO大会から4ヒート連続での表彰台を獲得した。

レディース:安原が地元名阪で今季2勝目!

地元、名阪レーシングの安原さやがスタートから抜群の速さを披露した。
もっともイン側のグリッドを選んだ安原だったが、この選択がホールショットにつながり、1周目からレースをリードする。後方には久保まな(スズキ)、竹内優菜(ホンダ)らランキング上位陣がズラリと顔を揃えたが、このライバルを寄せ付けることなく、しっかりとリードを保ったまま周回を重ねる。
その後、久保が転倒で後退すると、後半に入り今度は自力のある竹内が安原のテールに近づいてくる。しかし、このコースを知る尽くす安原は、近づかれるも、アタックさせない絶妙な距離を保つディフェンスを披露。レース終盤にはバックマーカーを巧みにかわしながら、後方からのプレッシャーもいなし、高度な走行でトップをキープした。そして迎えた最終ラップは、最後の勝負にでる竹内に並びかけられる場面もあったがこれにも退け、まさにトップを死守する形で、今季2勝目となるチェッカーを受けた。なお、TEAM KOH-Zの本田七海は、1周目を9番手と遅れてしまったが、前半でしっかりと追い上げて5位入賞を果たした。

次回の第8戦関東大会は、約1ヶ月後の10月8日(決勝)、埼玉県のオフロードヴィレッジにてに行われる。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
平田優選手談(IA1:3位/4位:総合4位)

「前回に苦労した序盤のレース展開は両ヒートともによかったですね。今回もスタートはあまりよくなかったのですが、序盤をうまくさばいて3・4番に入ることができていました。ただ、そこから両ヒートともに、小島選手に引っかかってしまったところがありました。ラインが少し似ているところもあるんだと思います。たらればですが、そこをもう少し早くクリアできていれば、また違った展開になっていたかもしれません。中盤以降に順位を落としてしまったのは、体力的に苦しかったということ。ライダー自身として足りてなかったということです。実際、中盤あたりからタイムが落ちていますから。次はオフビですが、やっぱり最後まで粘ることが大切。今日の展開で粘れれば、さらによいレースができると思います」

渡辺祐介選手談(IA2:3位/優勝:総合優勝)

「第1ヒートは、スタートで遅れてしまったし、ここは少しコース幅が狭いこともあって追い上げがとても大変でした。特に前でバトルしてる状況があって入る隙間を見つけるのに苦労し、かわすのに時間がかかってしまいました。その後の古賀選手とのバトルもとても激しかったですね。抜いて抜かれてを何度も繰り返しました。激しくなることも想定していたので、とにかくアクシデントに繋がらないよう冷静に走ってました。優勝は逃してしまいましたが、古賀選手の前でゴールできたのは大きいです。第2ヒートもスタートはあまりよくはなかったのですが、前に誰がいようとタイムを一定にすることを意識して走ることで、無駄のない走りができました。トップ争いはしっかりとプレッシャーをかけて、自分に有利な状況を作ることを意識しました。さらに、僕の得意なラフなコンディションも有利に働きましが、優勝できたてよかったです。これで残りは2戦、とにかくタイトルが欲しい。相性はよくありませんが、関東大会でも自分の力を出せば勝てると信じて臨みます」

田島久誌監督談

「IA1ですが、過去1・2戦のところでは序盤に前に行けない状況でしたが、スキを見逃すことなく前にでていた部分は、まだ最大とは言えませんが、平田選手の実力の最大値に近いところの走りはできるようになっているからでしょう。ただ、後半少しタイムが落ちてしまうこともあったので、そこが改善されるともっと本来の姿に近づくということです。さらに言えば、マシンが少しでも平田選手の走りに貢献することも必要です。残り2戦でどれだけ改善できるか、我々スタッフも頑張らないといけないと感じています。
IA2ですが、第1ヒートはスタートで出遅れながら、内容的にはとてもいいレースになりました。トップに離されましたが、組み立てだったり、勝負どころだったり、最後にライバルの前に行けたことも含め、内容はシーズンでもベストの一つだと思います。第2ヒートは、第1ヒートよりも良いスタートでだったので、落ち着いていけば勝てると考えていました。さらにいろいろなことを想定し、まさに落ち着いて実行してくれましたね。ポイントでは逆転こそできませんでしたが、古賀選手の前でゴールしてプレッシャーを与えることができたと思います。次は関東、運のないコースですが、今の渡辺選手であれば大丈夫、きっとやってくれるでしょう」

フライングドルフィン サイセイ
岡野聖選手談(IA2:2位/3位:総合2位)

「第1ヒートは追い上げのレースでした。じわじわトップが離れているのはわかったのですが、ラインが決まってなかったし、無理して転倒するのは避けたかったので、序盤は様子を見ていました。それに前のグループがバトルしており、かわすリスクもあったのです。ラインが決まってからズバッといけたし、2番手の古賀選手にも近づいていることがわかっていたのでいけるなと。結局トップとの差は大きかったので優勝はできませんでしたが、納得の2位です。ところが第2ヒートは、2番手で様子を見ていた時に転倒。これは自分のミスです。それでも3位なので、最低限のリザルトは残せたと思います。次は関東は自分としては相性がいいのですが、抜きどころが少ないコースなので、トップグループで走っていさえすれば必ず勝機はあると思うので、そういったレースをしたいですね」

名阪レーシング
安原さや(レディース:優勝)

「マディで勝った時より気持ちがいいです! スタートは自分が狙っていたグリッドがなかったため一番イン側を選択。これが功を奏してスタートがホールショット。出たからには行くしかないという気持ちでしたが、後方にランキング上位陣が揃っていたので、抜かれてもしょうがないという気持ちで、それまでは全力で行こうと走りました。ただ久保選手が後退して、少しギャップができたことで勝ちを意識しました。後方に竹内選手がきた頃には、バックマーカーがおり、竹内選手のケアというよりも、いかに確実にバックマーカーをクリアして行くか、そこに集中したことが良かったかもしれません。ただ、ラストラップはほぼ並ばれるところまできた中で勝ち切れたのは大きいですね。今のランキングはチャンピオン争いができる状況ではありませんが、この調子で次も、その次も勝ちを狙っていきますので、応援よろしくお願いします」

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