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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.04 6月4日 SUGO

RACE DATA

■大会名称:2017全日本モトクロス選手権 第4戦 SUGO大会
■開催日:2017年6月3日(土)〜4日(日)
■会場:宮城県・スポーツランドSUGO
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:曇り時々晴れ
■観客数:4,350人

REPORT

IA1の平田が両ヒートで3位表彰台、IA2は渡辺がダブルウィン

スポーツランドSUGOで行われた第4戦は、ときおり吹く冷たい風の影響により決勝日の気温が18℃までしか上がらなかったが、週末の直前まで降っていた雨はやみ、路面コンディションは安定。IA1に平田優、IA2に渡辺祐介が参戦する「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は、前戦までの悪い流れを断ち切るため、ライダー、チームスタッフとも新たな覚悟を持って臨み、平田、渡辺の両ライダーはその覚悟どおり、シーズン中盤戦に向けたターニングポイントとすることができる好レースを展開した。

IA1:平田は総合でも3位を獲得

土曜日の予選を3番手で通過した平田は第1ヒート、スタート直後の1コーナーも3番手でクリア。1周目に5番手まで後退し、成田亮(ホンダ)、山本鯨(ホンダ)、小方誠(カワサキ)らが形成したトップグループに少し離されてしまうものの、2周目には4番手へと浮上、上位3台との差を徐々に詰めていった。

そして10分が経過した6周目の段階で完全にトップグループに追いついた平田はまず、山本をパス。さらに9周目には2番手へとポジションを上げ、トップに立っていた小方を追った。レース後半に入ってもペースを落とさない小方との差を縮めることはできず、終盤では追い上げてきた山本に抜かれてしまい、平田は3番手にポジションを落としたが、開幕戦・九州大会以来となる表彰台の座を確保してチェッカーを受けた。

第2ヒートの平田はスタートダッシュを決めることができず、1周目6番手からの追い上げになった。序盤トップを走行した成田との差は、2周目の段階で10秒以上開いてしまっている。しかし、平田はあきらめずに追い上げ、成田、星野裕(カワサキ)、山本、小方の4名が形成していたトップグループに接近することに成功した。

平田が加わったことで5名に膨れ上がった集団は、ラインを交錯させながらの競り合いを始める。その中で平田は7周目、まず4番手にいた山本をパスし、さらに3番手を走っていた星野のインをさすが、コーナー立ち上がりのラインが重なってしまい星野と接触、転倒を喫した。ポジションは、再び6番手まで落ちてしまう。

それでも平田はあきらめず、トップグループを追い直した。第1ヒートと同様のハイペースで逃げる小方には完全に離されてしまったものの、8周目には5番手に浮上、レース後半には星野をパスして4番手。さらに山本と成田が繰り広げていた2位争いに接近し、12周目には成田を抜いて3番手となった。終盤、ペースを維持することができず山本をパスすることはできなかったが、平田は2ヒート連続となる3位でチェッカーを受けた。

IA2:渡辺が予選も1位のパーフェクトウィン

渡辺は第2戦で負傷した右足が治っておらず、この第4戦でも痛みをこらえながらの戦いを強いられていたのだが、その影響をまったく感じさせない走りを披露する。予選はトップで通過、決勝でもハイペースを維持し続けた。

第1ヒートのスタートこそ完璧ではなかったが、1周目の段階で3番手につけた渡辺は、先行していた古賀太基、小川孝平(ともにホンダ)の背後にぴったりとつけ、3周目には小川をパスして2番手へと浮上する。さらにトップに立っていた古賀にプレッシャーをかけながら、冷静にチャンスをうかがった。すると7周目、古賀が転倒。古賀を抜いて勝つつもりだった渡辺は、トップに立ってからもペースをまったく緩めずに周回を重ね、後続との差を大きく広げていく。最終的には2位の小川に19秒の差をつける独走で、今季初優勝を飾った。

第2ヒートではスタートも決めた。ホールショットこそ奪えなかったものの、タイトに切り返していく2コーナーでトップに立った渡辺は、1周目の段階で早くも後続を引き離し始め、3周目には独走態勢といえる状態に持ち込む。第1ヒートと同様に、渡辺は自分のベストを追求する走りをその後も続け、2位以下との差を大きく広げていった。チェッカーを受けた時点で、2位小川に対して築いたアドバンテージは16.8秒だった。渡辺がダブルウィンを達成したのは、IA2参戦初年度の2013年以来、4年ぶり2度目のこと。渡辺は今回のダブルウィンにより、ランキング2位に浮上した。

一方、第3戦終了時点でランキング2位につけていた、フライングドルフィン サイセイの岡野聖は、SUGOでリズムを崩してしまった。第1ヒートはスタートで集団に飲み込まれただけでなく、転倒も喫して1周目が23番手。もちろん追い上げたが本来のペースで走ることができず、13番手まで挽回したものの終盤で19位に後退。第2ヒートでは1周目から4番手につけて上位グループを追い続けたが、レース終盤でトラブルが発生、チェッカーを受けることができなかった。

なお、第4戦SUGOのIA2には、昨年IBクラスのチャンピオンを獲得したTEAM KOH-Zの大倉由揮が出場。アメリカ留学のため全日本での活動は休止中であり、スポット参戦であるが、第1ヒート、好スタートで得たポジションを維持して4位入賞を果たしている。

レディース:安原が4位に入賞、本田は7位

TEAM KOH-Zの本田七海が見事なスタートダッシュを決めるが、転倒を喫して大きくポジションを落としてしまう。代わって名阪レーシングの安原さやが、スタート直後から4番手につけて上位グループを追い続けた。特に3番手の川井麻央(ホンダ)にはレース中盤で接近、チャンスを得られる位置につけたが、終盤までその差を維持することができず、表彰台は逃した。1周目の17番手から追い上げた本田は、7位まで挽回している。

次回第5戦は、7月15~16日に岩手県・藤沢スポーツランドで行われる。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
平田優選手談(IA1:3位/3位:総合3位)

「優勝という最高の結果を残すことはできませんでしたが、3位/3位という結果は決して悪いものではありませんし、内容もよかったと思っています。今シーズン初めて、レースらしいレースをすることができました。もちろん、反省点もあります。第1ヒートでは終盤、ラインをうまく選ぶことができず、そこで僕よりも上手だった山本選手に抜かれてしまいました。第2ヒートでは転倒し、順位を落としました。それでも"こんなところでは終われない"と、前だけを見て走り続けた結果、再び3位を得ることができたのですが、反省すべき点はきちんと反省し、次戦、そして後半戦に向けて、積み重ねていきたいと考えています。もちろん、優勝争いをしなければいけません」

渡辺祐介選手談(IA2:優勝/優勝:総合1位)

「ケガの影響をまだ引きずっているため、無理できない状況だったのですが、それがいい方向に作用したかもしれません。攻められるところでは攻め、落とすべきところは落とす。結果、少し力を抜くことができ、冷静になれたのではないでしょうか。第1ヒートでは前にいた古賀選手の走りを学びつつ、仕掛けるポイントをいくつか見つけ、プレッシャーをかけることができました。トップに立ってからは、サインボードで確認しながら自分自身のラップタイムと戦うようにしました。それは第2ヒートも同じですが、スタート直後の段階で、前に出ようという判断をすることもできました。バイクの調子は非常によく、あとは自分だけという状況でしたから、結果を残すことができて本当によかったです」

田島久誌監督談

「IA1では3位/3位という結果を残すことができ、今後に向けて確かなステップを踏むことができたと思います。前戦まではスタートで遅れてしまい、ポジションを上げるのに時間がかかってしまうレースが多かったのですが、今回はうまくまとめることができました。もちろん、優勝し、チャンピオン争いをすることが我々の仕事なので、平田選手自身にも反省点がありますし、マシンももっと詰めていく必要があります。IA2では渡辺選手がケガを抱えているため、過剰にプレッシャーをかけず、"少なくとも3位以内"という目標を設定したのがよかったのかもしれません。周囲の状況をしっかり把握しながら、自分のレースを組み立てることができた。ライダーとして備えているポテンシャルの高さを、証明することができました。自信につながるレースにできたと思います」

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