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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.02 4月23日 関東

RACE DATA

■大会名称:2017全日本モトクロス選手権第2戦関東大会
■開催日:2017年4月23日(日)
■会場:埼玉・オフロードヴィレッジ

REPORT

平田が総合6位、渡辺が第1ヒートで2位

シーズン2戦目を迎えた「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は、IA1、IA2ともにさらなるジャンプアップを目指して戦いに臨んだ。IA1ではYZ450 FMを駆る平田優が両ヒートとも、苦しみながら入賞圏内でフィニッシュして総合6位。一方のIA2は、YZ250FMで出場する渡辺祐介が、第1ヒートで3ヒート連続となる表彰台(2位)に立つも、第2ヒートでは転倒が続き、また転倒が原因による負傷もあったためリタイアとなった。当初の目的であった、開幕からのステップアップとはならなかったものの、それぞれ改めて成果と課題を確認しながら、約1ヵ月後の第3戦中国大会に備える。

IA1:平田が苦しみながらも5・7位で総合6位を獲得

開幕では第1ヒートで表彰台に上がったものの、トップとの差を確認した平田優。第2戦に向けては新型車両とのマッチングを高めることでライバルとの差を縮め、またチャンピオンを視野に捉えた状態でシーズンを進めるために、両ヒートで表彰台を獲得することを目指とし第2戦を迎えた。

第1ヒート、イン側にマシンをセットした平田優は、そのまま1コーナーのインにマシンを差し込み、丁寧にまわって5番手を奪取。さらにこの1周の間に順位を上げ、成田亮(ホンダ)、山本鯨(ホンダ)、新井宏彰(カワサキ)に続き4番手で1周目を終える。
ところが2周目、6番手にポジションを落とすと同時に苦しい展開が待っていた。ペースが思うように上がらず上位陣に少しずつ離されて6番手を単独走行となる。中盤以降、5番手をいく小島庸平(スズキ)との差を詰める時間があったものの、勝負するところまで寄せることができず6位でフィニッシュとなった。なお上位は、終盤で逆転勝利をつかんだ山本、2位は成田、3位は新井。

続く第2ヒートも、平田の苦しい状況は続いた。スタート後は6番手につけるも1周目を終えて7番手に後退し2周目に入る。ここから挽回が期待されたが、第1ヒートと同様にペースが上がらない。そればかりか4周目には8番手、5周目には9番手までポジションを落としてしまう。
その後、8番手にポジションを戻すもペースは上がらなかったが、中間に差し掛かる頃になるとマシンへの適応が進み、これまでの苦戦がウソのようにラップタイムにして約2〜3秒のペースを上げる。すると先にかわされたライバルたちに急接近。そのテールに迫ると一人、また一人とかわし6番手に浮上する。
さらに追撃の手を緩めない平田は、4番手をいく成田にも迫っていく。そしてラストラップを迎えると、このレース最速となるタイムを出して成田を追ったが1.5秒及ばず5位でチェッカーとなった。開幕戦に続き表彰台は逃してしまったが、万全な状況でない中でマイナスを最小限にとどめ総合6位、ランキングも6位となっている。なお優勝は独走した新井、2位は小方誠(カワサキ)、3位は小島となった。

IA2:渡辺が第1ヒートで2位、第2ヒートは転倒リタイア

開幕戦では表彰台に立ったものの優勝は逃してしまった渡辺祐介。第2戦は今シーズン初優勝を獲得するとともに、ランキングでもトップに立ちチャンピオン獲得に向け地盤を固めていきたレースだった。

その立ち上がりは、理想通りとはいかなかった。
渡辺は、スタートで集団に埋もれオープニングラップの序盤は6番手。それでも持ち前のスピードで挽回し、小川孝平(ホンダ)、古賀大基(ホンダ)、YZ250Fを駆る岡野聖(フライングドルフィン サイセイ)に続く4番手となる。渡辺は序盤から攻めの姿勢でレースを進め、2周目に岡野をかわし表彰台圏内の3番手に上がる。さらに間髪をおかずに古賀の背後に迫ると、5周目走行中にパッシングを成功。序盤の内に優勝を視界に捉える。
この時点でトップとの差は約6秒。当初はなかなかその差がつまらなかったものの、着実にその差を削り取っていく。13周目を終えた時点でついに3秒差を切るとそこから一気にスパートすると、16周目走行中、小川をかわしトップに浮上すると、その直後一気に後方を引き離すが、レースはこれで終わらなかった。渡辺はバックマーカーを交わす際に接触があり、手に痛みがあったのだ。
終盤、ライバルとの差が再び縮まりテール・トゥ・ノーズへ。そして最終ラップに入った直後のコーナーでリードを許してしまうと、小川に続きそのまま2位でチェッカー。今季初優勝は第2ヒートへと持ち越しとなったが、それでも3ヒート連続となる表彰台に上った。3位は古賀、YZユーザーの岡野は4位。

第2ヒート、スタートは笠原氷河(TEAM エム FACTORY)がトップ、さらに岡野、渡辺が続き、スタートはYZが攻勢を見せる。しかし1周目上位で戻ってきたのは岡野のみ。渡辺は転倒があり、19番手と大きく後退してしまう。
その渡辺は早速に追い上げに入り2周目を終えて16番手、さらに3周目には13番手と着実に追い上げを見せる。しかしその3周目、フープス走行中に他車との接触もあり転倒。これで体を負傷しリタイアとなってしまう。
一方、昨年ランキング2位の岡野は開幕戦、そしてこの関東大会の第1ヒートと3ヒート連続で表彰台を逃してきたが、ついに本領を発揮し1周目をトップで戻ってくる。しかし、その背後には古賀、小川という今年終了した3ヒートで優勝しているライバルが食らいつき3つ巴のバトルに。
この中で7周目、古賀にトップを譲るが、岡野はこの後も後方につき、逆転を伺うレースを展開。じっと勝負の瞬間を待つ。そして終盤、岡野が動きだす。少しずつ古賀のテールに迫り、その差は1秒差を切る。そしてラストラップ、フープスで並びかけると、その直後のコーナーでリベンジ。古賀のインを突きトップに立つとそのまま独走して、今季初優勝を飾った。2位は小川、3位は古賀。

レディース:安原さやが3位で今季初の表彰台を獲得

レディースクラスでは、開幕戦、まさかの予選落ち・ノーポイントに終わった安原さや(名阪レーシング)が、復活の走りを見せた。
まずスタートでホールショットを決めると、その周に2番手に順位を落とすが、後方からのプッシュを巧みに抑えながら2番手をキープ。その後はトップとの差は開き、竹内優菜(ホンダ)との2位争いとなるが、7周目、小さなミスをきっかけにかわされて順位を落とす。しかし、その後は3番手をキープし3位でチェッカーを受け今季初表彰台に登壇! 改めてトップライダーとしての存在感を見せつけた。
一方、開幕戦で3位表彰台を獲得した本田七海(TEAM KOH-Z)は、序盤6番手から4番手までポジションを上げたが、その直後の周に5番手に後退すると最後まで順位は変わることなく5位でレースを終えた。

次回の第3戦中国大会は、5月20日に開幕、21日に決勝が行われる。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
平田優選手談(IA1:6位/5位:総合6位)

「本来であれば、開幕から一歩上のステップを踏むことが必要なレースだったと思いますが、残念ながら思うように前進できませんでした。ポテンシャルの高さはあるものの、まだマシンを自分のものにできていないことがその原因です。レースの中で探りながらの部分があるので、第2ヒートが顕著に現れていますが、後半に入るとマシンの挙動などを把握できタイムが上がってくる状況でした。早くマシンの特性を掴んで持っているポテンシャルを引き出せるようにすることが第一です。今大会は表彰台を逃してしまいましたが、チャンピオンシップを考えれば、決して最悪な結果ではありません。早く全てがかみ合うよう広島に向けてがんばります」

渡辺祐介選手談(IA2:2位/DNF:総合9位)

「昨日の公式練習、予選、そして今日の公式練習と決勝での勝利に向け順当に調子を上げていくことができました。第1ヒートは、完璧ではありませんでしたが序盤に2番手に上がりトップに上がるという展開でした。しかし周遅れに引っかかって手を痛めていたこともあり、最後はマシンをコントロールできない状況にありました。それで最後のラップにかわされてのです。第2ヒートはその悔しさを晴らそうという気持ちでレースに臨みました。気合も入っていたし、スタートも良かった。でも1周目に単独で転倒し、さらにその後、他車との接触もあったのですが再び転倒し体も痛めたためリタイアとなりました。残念、という言葉しかありません。起きてしまったことは受け入れるしかありません。とにかくこのインターバルは体を治すことに専念します」

田島久誌監督談

「平田選手はスタート自体は悪いわけではないのですが、両ヒートともに序盤の混戦でポジションを上げられず、またそこから立て直すにも時間がかかってしまいました。もちろんそれにはいくつかの原因があるわけですが、それをチームとして上手く消化できなかったことがこの結果になっているのだと思います。この関東でワンステージ上へ上がる予定だったのですが、レースはやはり甘くはありませんね。IA2に関しては勝つつもりでここに来ていたので、こちらも満足な結果には届いていません。第1ヒートは追い上げトップにも立ちましたし、内容は悪くなかったのですが、手を痛めるというアクシデントで後退。第2ヒートは転倒が続き、2度目の転倒で怪我があったのでリタイアとなりましたが、獲れるレースだっただけに残念です。渡辺選手は怪我の状況を把握した上で、今後を考えることになりますが、平田選手に関しは、マシンとのマッチング、そして序盤の走りの改善に取り組み、広島では一歩でも前に進んでいたいと思います」

フライングドルフィン サイセイ
岡野聖(IA2:4位/優勝:総合2位)

「開幕ではスタートで前に出られず、勝負ができない状況がありました。今日はまずそれが改善てきたことが大きな前進でした。だたし第1ヒートは、スタートでは勝負できるポジションにあったのですが、マシンと体がうまくマッチしなかったためトップのペースについていけず、ポジションキープがやっとでした。そこで第2ヒートに向けセッティングを大幅に変更。賭けに出ました。それがピタリとはまり、今度はトップ争いに絡めたという感じです。序盤のトップの時は、必ず勝負してくると予想していたので、抜かれてからも焦ることはありませんでした。むしろ冷静に組み立て直すことができたし、こちらが勝負するポイントを探しました。勝負のタイミングは、結果的にギリギリまで引っ張る形となりましたが、今日自分の中で速かったフープスで勝負。ラインが想定とは異なるところで、一か八かの賭けになってしまったのですが、なんとかかわすことができてよかったです。とにかく表彰台を獲れていなかったし、獲るなら優勝したかったので、この結果には満足しています。チャンピオンのために、この走りを続けること。広島でも勝ちます!」

名阪レーシング
安原さや選手(レディース:3位)

「開幕で予選落ちとなり、その後も家族が病気をしてしまうなど、いろいろとあり、落ち着いてレースについて考えることなくこの大会を迎えることとなりました。調子はとても良かったのですが、状況的には入賞圏内に入れればよいと考えていました。レースではスタートが決まったことで状況が変わりました。1周目に2番手に落ちたのですが、後方からのプッシュに対しても落ち着いて走ることができ、終盤に抜かれたものの表彰台に立ててホッとしました。九州でも感じましたが、着実に若手が伸びてきて、簡単に表彰台に立てない状況ですが、それでも今日のようなレースを継続することが大切。広島でもチャレンジを続けます!」

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