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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.05 7月3日 神戸

RACE DATA

■大会名称:2016全日本モトクロス選手権第5戦神戸大会
■カテゴリ:IA1/IA2
■開催日:2016年7月3日(日)
■会場:神戸空港特設コース(兵庫県)
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

積乱雲が沸き立つ、夏の神戸空港で、全日本モトクロス選手権第5戦神戸大会が開催された。「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は、前回のSUGO大会で怪我を負った三原拓也が欠場となったため、平田優のみがエントリー。高いチーム力と高い戦闘力を誇るYZ450FM、そして実力と経験を兼ね備えたライダー。シーズンオフ、そして開幕以降の進化は目覚ましいものがあった。神戸大会でもその続きを紡いでいくはずだったが、三原の欠場に加え、平田が7/11位と、新たな試練を与えられた。一方、IA2は、フライングドルフィン サンセイの岡野聖が4連勝、YAMALUBE RACING TEAMの渡辺祐介も、転倒から怒涛の追い上げを披露し5位/4位と、確かな成長、確かな手応えを感じる大会となった。 

IA1:平田優が7/11位を獲得

ここまで2勝を挙げているYAMAHA RACING TEAMの平田優は、第5戦でもその実力を如何なく発揮。予選でダントツの速さを見せてトップ通過。そして、第1ヒートも完璧なスタートを切る。ところが、第2コーナーで不運が襲いかかる。ライバルとの駆け引きの中で転倒、最後尾20番手からの追い上げを強いられることとなった。

それでもシーズンを重ねるごとに、ブランクを埋め、本来の力を取り戻してきた平田は、その直後から速いペースで追い上げ、1周目を18番手で終える。その後も追撃の手を緩めることはなかったが、コース幅が狭くライバルを抜きにくい状況、多くのレールとギャップなどのコンディションにより、思うように順位を上げられない。その中でも、ラインを試行錯誤しながら徐々にポジションを上げた平田は、最終的に7位でチェッカーとなった。なお、優勝は小島庸平(スズキ)、2位は成田亮(ホンダ)、3位は新井宏彰(カワサキ)。

第2ヒートも、1周目にアクシデントがあり、平田は14番手からの追い上げとなる。しかし、今回は第1ヒートからさらにレベルアップした走りを披露し、3周目を終えるまでに5人をかわして9番手に浮上。さらにここからはペースの速いライバルがターゲットとなったが、全くそれを感じさせないスピードを見せつけた。

特に6番手で迎えた5周目以降は、田中教世(カワサキ)、小島、成田、小方誠(カワサキ)、熱田孝高(スズキ)ら、多くのファクトリー勢がその前を阻んだ。しかし、第1ヒートで収集した情報を駆使し、超接近戦の中で一人、また一人とかわして、12周目にはついにトップへ。さらに、ここからも圧巻で、一人ハイペースで後続を振り切ると、第3戦の中国大会以降、3戦連続の優勝を獲得した。

しかし、レース終了後に審議が入り、平田はレース中にコースショートカットがあったとされ、1周減算のペナルティを受け、最終的な結果は11位となった。これで優勝は深谷広一(スズキ)、2位は新井、3位は小島という順位に変更された。

IA2:渡辺が5位/4位、岡野が再びパーフェクトウインで4連勝!

YZ勢が好調のIA2、YAMALUBE RACING TEAMの渡辺祐介が連続表彰台で上昇傾向にあり、さらにフライングドルフィン サンセイの岡野聖はSUGOでパーフェクトウィン。そんな中で迎えた第5戦も、2人のライダーが活躍した。

その第1ヒート、渡辺はスタートで遅れ14番手で1周目を終えると、そこから序盤で9番手まで浮上するが、4周目に他車の転倒に巻き込まれ、22番手まで順位を落としてしまう。しかし、渡辺の不断の努力がここで発揮される。第3戦の中国大会以降は、マシンとのマッチング向上などを含め、上位ライダーとの差を埋めてきたが、転倒したラップだけで5人をかわすなど、一気にペースを上げる。途中、難しいコースと混戦でペースを落としてしまうこともあったが、このレースのベストラップを刻むなど、最後まで追い上げを続け、結局、転倒から17人を交わす力走で5位入賞を果たした。

一方、2連勝中の岡野は、序盤からトップ集団でレースを展開。その後、古賀太基(ホンダ)、田中雅己(ホンダ)と三つ巴のバトルは、最終的に田中の転倒で決着となるも、背後でプレッシャーをかけながらレースをコントロールする冷静さがあった。岡野はこれで3連勝。ランキングトップの能塚智寛(ホンダ)との差をまた縮めた。

続く第2ヒートも、ヤマハの2人がレースの主役となった。まず渡辺は、まさに死力を尽くして戦った。19番手と1周目で遅れをとるが、今回はさらなるハイスピード走行と、巧みなライン取りで挽回し、観衆の目を惹きつけた。前を行くライバルとのギャップをことごとくはねのけ、コーナー、ストレートで勝負し続け、いつしか順位は一桁に。

後半に入ると、疲れ果てていてもおかしくない渡辺は、さらに躍動。能塚、古賀、竹中純矢(スズキ)らをかわし、ついに3番手とすると、再度YZ250Fをプッシュし2番手の小川孝平(ホンダ)に迫る。しかし一旦は前に出るものの、そこで転倒。この時、頭を打っており、再スタートを切るも、思うようにペースが上がらず4位に順位を落としてチェッカー。表彰台は逃したがその追い上げは、トップライダーそのものだった。

一方の岡野は、3連勝でノリに乗っていた。序盤3戦は能塚智寛(ホンダ)の後ろが指定席だったが、SUGOの2連勝を機に、この神戸の第1ヒートでも勝ちを収めた。そして第2ヒートも序盤から先頭集団を確保し、周回を重ねていく。今回も勝負は終盤にやってきた。20周目、それまで先頭を走ってきた竹中を捉えると力を振り絞って加速。好ラップを刻んで後方との差を広げ、2戦連続でのパーフェクトウィンで4連勝、ランキング2位でシーズン後半へ突入する。 

レディース:安原が3位で2戦連続表彰台!

公式練習走行で、肩をはずした安原さや(名阪レーシング)が、地元神戸でディフェンディングチャンピオンの意地を見せた。

欠場してもおかしくない状況。それでも安原はグリッドにマシンを並べた。そして、腕も思うように上がらず、痛みもある中で、1周目をトップで帰ってくる。その後、中野洋子(ホンダ)、竹内優菜(ホンダ)にかわされるも、3番手でレースを続ける姿に、多くの声援が送られた。

その背後に迫ったのが、若手の成長株の本田七海(TEAM KOH-Z)だった。6番手からポジションを上げた本田は、安原という大きな壁に全力でぶつかっていった。怪我を負っているにもかかわらず安原も跳ね返し続け、互いに全力を尽くした。最終的には、本田の体力がつき、安原が3位で2戦連続の表彰台を勝ち獲ったが、IA1、IA2と同様に、ヤマハライダーが記憶に残る戦いを披露し、次回への期待を高めることとなった。

第6戦東北大会は、岩手県のスポーツランド藤沢で7月23・24日に開催される。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
平田優選手談(IA1:7位/11位:総合9位)

「第1ヒートは、好スタートを切りながら転倒。そこからの追い上げも特に後半に入って苦労し7位でレースを終えました。第2ヒートも、同じように後方からを追い上げとなったのですが、第1ヒートの教訓を生かし、多くを修正した結果、会心のレースで優勝。でも、レース後にショートカットで1周減算のペナルティーが科せられ11位という結果になりました。もちろん悔しいですが、応援してくれるファンの皆さんやチームのためにも、しっかりと受け止め、気持ちを切り替え前に進みます」

田島久誌監督談

「第1ヒートは、スタートが決まったのですが、2コーナーで転倒。ライバルとの駆け引きがあったと思いますが、ちょっとの差が明暗を分けました。その後は、何度が前のライダーを抜きあぐねるシーンがありましたが、この厳しいコンディションの中で最後まで攻めることができる、という手応えをつかんだレースでした。第2ヒートは、まさに平田選手の強さが際立ったレースになりました。最後まで戦える体力、レースを分析し修正する能力、速さ。すべてがトップクラスのレースだったと思います。ただ、最終的には、ショートカットによる1周減算のペナルティーで11位という結果になりました。反省すべき点は反省し、ファンの皆さんに笑ってもらえるよう、チーム一丸となって進んでいきますので、これからも応援をよろしくお願いします」

YAMALUBE RACING TEAM
佐藤光幸監督談

「すばらしいレースをしてくれたと思いますし、ペースも抜群でした。それは、これまで渡辺選手が取り組んできたトレーニングの成果が、この厳しいコンディションになって現れはじめたのだと思います。でも、本人が一番感じているでしょうが、監督として言えるのは、勝てるレースであり、残念なレースだったということです。第1ヒートは前車の転倒に突っ込んでしまい、第2ヒートは転倒。こうしたことが、岡野選手との差なのだと思います。しかし、総合的に見れば、トップとの差は縮まっているし、自信も取り戻しているため、もうすでにそのグループに片足を突っ込んでいるとも感じています。だからこそ次の東北大会(岩手)では、トップの一員として認められるような結果、すなわち優勝を照準としたレースとして臨みます。ぜひ、楽しみにしていてください」

フライングドルフィン サンセイ
岡野聖(IA2:優勝/優勝:総合優勝)

「予選から調子が良く安定していたので、今回もいける手応えをつかんでレースに臨みました。転倒もあり、正直に言えば焦った部分もあったのですが、それでも全体的にまとめ、粘れるところは粘って4連勝と、結果も出せてよかったです。今回のレースを終えての感想を、誤解を恐れずに言うならば、ライバルが特別に速く見えない。言い換えるならば、それだけ自分が良い状態にあるということです。次回の東北大会(藤沢)はさらに暑く厳しいレースになる。これを勝ち切るには、今大会のように粘り強くレースをすること。自分の走りをすれば必ずチャンスあると信じ、また最終目標である、チャンピオン獲得に向けて走ります」

名阪レーシング
安原さや選手談(レディース:3位)

「グリッドにはついたものの、サイティングラップの時点でかなり痛かったので、レース途中でのリタイアも覚悟していたし、実際1周目の1コーナ後、痛みで心が折れそうになりました。でも、最終的にはアドレナリンでカバーできました。怪我をする前までは、優勝するつもりでいたので、この状態でも3位には入るつもりグリッドに並んでいました。有言実行できて、よかったしうれしいですね。この結果は、心技体、マシンがここにきてようやく整ったからだと思います。特に心の部分は、いろんな不安があって第3戦までは不安定でレースも楽しむことができていなかったのですが、ようやく楽しく乗れるようになりました。藤沢も楽しみ、そして次も表彰台に上ってみせます」

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